後輩指導やチームリーダーを担当するいわゆる「中堅社員」クラスになり、後輩やメンバーとのコミュニケーションに苦労している人は多いのではないでしょうか。社内において日ごろからコミュニケーションが不足してしまうと、信頼関係が構築できず仕事上の連携も取りづらい状況となり、生産性の低下やミスにつながる恐れがあります。また、一人ひとりの帰属意識やモチベーションが低下するといったデメリットも考えられます。そこで今回は、先輩社員の皆さんに向けて、後輩やメンバーと信頼関係を築くために意識すべき対話のコツと、社内コミュニケーションを円滑にするおすすめの方法をご紹介します。
後輩やメンバーと信頼関係を築く対話のコツ
「話しかけやすい雰囲気」をつくる
常に忙しそうにしている・無表情でいることが多い・目を合わせずに返事をするといった言動は、話しかけづらい雰囲気の一因となります。とくに、相手が目上の人であればなおさら気を遣うものでしょう。まずは普段から、機嫌よく振る舞う・口角を上げる・話を聞くときはできる限り手を止めて相手の目を見るなど、自身の言動に注意して、話しかけやすいオーラを出すことを意識しましょう。
話を聞く(対話する)姿勢をもつ
自分が一方的に話をするだけでは良質なコミュニケーションとはいえません。相互のコミュニケーションを行うために、まずは相手の話に耳を傾けて「対話」する姿勢を持ちましょう。相手が話しやすいよう、適度に相槌を打ったりリアクションを取ったりすることも大切です。
ポジティブ(肯定的)な言葉を使う
ネガティブな言葉や、相手を否定するような物言いは避けましょう。誰だって、自分のモチベーションを下げる相手と積極的にコミュニケーションを取りたいとは思わないはず。例えば「疲れた」「しんどい」といった愚痴っぽくなりがちな表現も「がんばった」と言い換えるだけで印象が変わります。このように何気ない発言もポジティブな言い回しに変換するちょっとした工夫が対話力を高めるのです。
相手の目線で考える
「普通はこうするもの」「こうするのが当然」といった決めつけや、「自分はこうしてきた」「前はこうだった」といった自分の経験・価値観だけを基準とした判断をしないという意識を持つことも重要です。話したところで理解してもらえない、尊重されていないと感じれば、心を開くことはできません。相手の目線で考える意識を持って対話することで、信頼関係を築きやすくなります。

社内コミュニケーションを円滑にするおすすめの方法
・挨拶とセットで雑談を取り入れる
挨拶はコミュニケーションの基本です。まずは目を合わせて挨拶をすること自体が大切ですが、そこに雑談もセットで取り入れることで、日常的に話をする機会が増えます。挨拶のあとに「今日は寒いね」なんてちょっとした一言を加えるだけでも効果は十分。フランクに話せる・親しみやすいといった印象がつけば、自然とコミュニケーションの活性化につながるでしょう。
・ランチタイムを活用する
挨拶時や仕事中のちょっとした雑談でこまめにコミュニケーションを取ることも重要ですが、ときにはランチタイムなどを使ってゆっくりと対話する時間をつくるのもよいでしょう。とはいえ、昼休憩は労働時間に含まれないため強制するのはNG。お昼はひとりでゆっくりしたい・自分の好きなことをしたいといった人も少なくないので、断りづらい状況にならないよう配慮が必要です。
・チャットツールを導入する
いつでもどこでも手軽にやりとりができるチャットツールを導入して、コミュニケーション機会を増やすのも効果的です。メールのような堅苦しさがなく、例えばリモートワークなどで離れた場所にいても、対面での会話に近いシンプルでフランクなやりとりができるため、近しい関係性を構築するための補助ツールとして大いに使えます。相手との関係性にもよりますが、スタンプや絵文字などを適宜活用することで、より感情を表現することができ、相手との距離感を縮めることも可能です。ちょっとした報連相や、チーム内での情報共有の際に活用してみてはいかがでしょうか。

昨今、人材や働き方の多様化が進む中で、職場におけるコミュニケーションは難しくなってきています。また、ハラスメント防止の意識が高まっているからこそ、社内コミュニケーションに迷いや悩みを感じているビジネスパーソンも少なくないでしょう。この機会に、後輩やメンバーと信頼関係を築ける「いい先輩」を目指して、自身の振る舞いやチームの取り組みなどを見直してみるとよいかもしれません。